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和時計 二挺天符の切替

以前にご紹介いたしました和時計の続きです。上部にある2本の天符の切替り動画アップします。水平に反復運動している天符は、掛け時計の振子の役割をしています。ではなぜ2本の振子が必要なのでしょう。

現代の私たちは1日を24時間で均等に分ける定時法で生活しています。

一方江戸時代の日本の時間は、不定時法の基、夜明けと日暮れを境に昼と夜に分け、それぞれを6等分した一時(いっとき)を基準にしていました。また、日本は1年の間でも昼と夜の長さが変わります。そんな江戸時代の不定時法に対応しやすくするために、二挺天符の機構が作られました。夜明けと日暮れに2本の天符が切替り、それぞれがその時期の約半日の一時を刻みます。日々変わる昼と夜の長さも、天符に吊るしてある分銅の位置をずらして微調整します。月2回目途に分銅の調整をしていたようです。

夜明けを明け六つと呼び、厳密には太陽の中心が地平線下7度21分40秒と定義されたようですが、実際その当時の生活においては、電気もなかった時代、明るくなれば起きて暗くなれば寝る生活で、その日の天気でもかなり変わる、大雑把な生活をしていたようです。

機械式時計自体は1500年代にフランシスコ・ザビエルにより日本に持ち込まれたようです。定時法の西洋の機構をもとに、より複雑に改造し、不定時法の機構を作り出されました。作り出されたのがいつの時代なのかは正確には不明のようですが、錘と歯車だけで二挺天符が自動的に切替る動きは、実に独創的かつ神秘的です。

四季がある日本ならではの感性でしょうか。

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